5月の春2012
生きものたち かけがえのない「いのち」のかたち!
春の山「笑う」 ( 魚沼の山に春を訪ねて)
2012年5月2日(水) spectator:3268
- 魚沼の五月連休の春
春の山を¨笑う¨と形容する。
春の山に対する喜びは、雪国に住んでいるからこそ実感する。
唐の詩人「于良史(うりょうし)」は漢詩「春山夜月」で春の山の素晴らしさをこう詠んだ。
春山多勝事、賞翫夜忘帰
掬水月在手、弄花香満衣
興来無遠近、欲去惜芳菲
南望鳴鐘処、楼台深翠微
春山勝事多し、夜帰るを忘れて賞翫す
水を掬くすれば月手に在り、花を弄すれば香り衣に満つ
興来らば遠近無く、芳菲を惜しんで去かんとす
南に鳴鐘の処を望めば、楼台は翠微に深し
と読める。
現代訳にすると、春の山は素晴らしい事が多い。夜になっても家に帰ることを忘れて見惚れてしまう。
手で水を掬くえば月がその中に在るし、花にふれればその香りが衣にまで満ちあふれてくるようだ。
興が乗れば遠い近いにかかわらず、芳ばしい花の香りを愛でて何処までも行こうとしてしまう。
鐘が鳴る南の方角を遙かに望めば、楼台が春の芽吹きの山の中にわずかに霞んで見えている。
というところだろうか。
- 野鳥の巣立ちの親子
- 山菜はこんな所で採ってます
毎年五月の連休にはそんな雰囲気が味わえる魚沼の山深くに入る。
色とりどりの芽ぶきの色と消えゆく白い雪とのコントラストとこの時期にしか味わえない開放的な春の香りがたまらなく好きである。
春の命の息吹は植物からも動物からもその躍動感が伝わってくる。
それに楽しみは雪消えを待ちかねるように出てくる極上の山菜採りだ。
雪が多いこの土地だけが醸し出す苦みが少なく美味しい山菜がこの地域独特の特徴だ。
今年は雪が多かったので、最盛期はこれからで、まだ採れたのは、フキノトウ、コゴメ、ヤマウド、ゼンマイ、ウルイ、シオデ、木の芽(アケビの芽)、アサツキくらいだ。
植物の命の先端をいただくことで、一年間の元気が出る。
新たな命あふれる空気を吸って、見て良し、食べて良しの春を五感で楽しめる。
今年も春の深山を存分に味わってきた。
- 山菜の料理
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