部分日食09
天体観察 果てしないロマンが宇宙にある!
新潟市から観た 部分日食
2009年7月22日(水) spectator:2236
- 我が家の庭から撮影した部分日食
久しぶりの天文ショーだった。太陽と月の中心が一致して起こる皆既日食が奄美諸島などで観られた。
日本で観られるのは46年ぶりだという。
新潟ではその影の部分に入る部分日食だったが、幸運にも雲がフィルターの役目をしてくれたので目視できたし、デジカメで撮影することが出来た。
日食とは月が太陽を覆う現象であるが、古代より多くの文明のなかで神話として登場している。
その多くは不吉な象徴として恐れられていて、特に太陽を皇帝のシンボルとしていた古代の中国では、皇帝に対する不吉な予兆だと考えられていた。
そして紀元前8世紀頃には、すでに日食の発生を予測することが行われていたのである。
漢時代には、太陽の象徴である金烏(太陽の中にいるという三本足の八咫烏)の中心が月のクレータの形から考えられたヒキガエル(月の象徴)によって隠されている日食の石碑が残されている。
日本では、邪馬台国の時期に卑弥呼が死んだとされる247年と248年に起こったとする説があるが、記録に残る日食は『日本書紀』の推古天皇36年(628年)3月2日が最古である。
持統天皇(白鳳文化)の時代に暦博士が中国の故事にならい日食が起きる日を予測している記録もみられる。
そのメカニズムを調べてみると不思議と数字が符合する。
太陽の直径が約140万㎞、月の直径が約3千4百㎞、地球と太陽までの距離約1億5千万㎞、月と地球の距離は36万㎞から40万㎞の間にある。
これでは数字が大きすぎて距離感がつかみにくいので、300億分の1の縮尺にしてみると、
太陽の直径はピンポン玉くらいの大きさの約4,6㎝になる。そこから約5m離れて直径約0.4㎜の地球が太陽の回りを公転する。
直径0.1㎜の月が地球から約1.3㎝の距離に楕円軌道を描く。
太陽と月がほぼ同じ大きさで重なってできる日食は、太陽と月の直径の比が約400倍、そして地球からの月と太陽の距離も約400倍となっていて、地球から投影法で見てみると、太陽の大きさと月の大きさがその距離との比においてほぼ一致するのである。
そして、楕円軌道を回る月のわずかな地球との距離の違いで、地球から見て月の直径が太陽を上まれば皆既日食となり、
逆に太陽より小さく見える位置にあるときは金環食になる。
ちなみに、地球と月の直径の比も約4倍で、4の数字が並ぶ。
果たしてこれは偶然によるものだろうか。それともこの宇宙に創造主がいて、天の采配によるものなのか。
これだけ科学や文明が発達した現代でも、皆既日食を経験すると人生観が変わるという人もいるくらいだ。
古代の人々の驚きや畏れはいかばかりであっただろう。
宇宙を300億分の一に縮尺した場合、太陽系の9つの惑星はほぼ直径200mのなかに納まることになる。
そして、ピンポン玉の大きさの太陽を新潟に置いてみると、一番近い太陽のような恒星は北海道あたりにあり、さらにハワイあたりに一個、ヨーロッパに一個というような距離にあることになる。
その太陽のような恒星がおよそ二千億個集まって我々の太陽系が所属する銀河系とよばれる島宇宙が存在する。その端から端まで行くのに光の速度でも10万年かかり、約2億年の周期で一回転している。
銀河系の中心部は天の川となって夜空に輝いているのである。
さらに、銀河系に最も近いアンドロメダ星雲のような島宇宙とよばれる星雲がこの宇宙には数千億個もあるという。
宇宙はまだ不思議なわからないことだらけで想像を絶する広大無辺のなかで運行している。
その中の一員としてわれわれ一人ひとりが地球というこの小さな星の上に存在しているのである。
太陽が欠けて薄暗くなったお昼前、怯えた様な犬の遠吠えを聞きながら遥かな宇宙に思いを馳せていた。
宇宙のさまざまな現象を見ていると生命の不思議を想わざるを得ない。
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