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百武彗星

  天体観察                果てしないロマンが宇宙にある!

 百武彗星

   1996年3月27日(水)~29日(金)             spectator:3101

  • 百武彗星をとらえる

百武彗星 

が宇宙に興味を持ったのは、高校一年のときだった。入学早々一年生で物理クラブを作り、天体望遠鏡を学校から買ってもらって屋根に上がっては星を観察していた。
高校を卒業すると同時に夜の空とは縁遠くなっていた。

平成8年(1996年)3月、一つの彗星が話題になった。
3月25日に地球からわずか1500万km の距離にまで最接近し、今世紀最大となる彗星独特の長く尾を引く姿が見られるという。思わず衝動的に写真に撮ってみようと思い立った。

新潟東港にて 

3月27日(水)午後11時頃、東港の海岸に向かった。気をつけてみると新潟近郊の空は光だらけ、光の当たらないくぼ地に三脚を立てた。

撮影方法は固定式といって、いたってシンプル。マニュアルの一眼レフカメラにレリーズを付けてシャッターを解放して撮る。いろいろな秒数で撮っておく。
 そして、撮れたのが左の写真である。

カメラ: NikonF601 レンズ:Tokina400mm F5,6 フイルム:フジカラースーパーHG800 

目が慣れてくると彗星の尾がすごく長いことに驚いた。
露光時間が短かかったのと、レンズがF5,6と暗いので肉眼には比べようもない。


再度挑戦することにした。

翌日の28日に行ったところは、街明かりの届かない五頭山の麓の駐車場である。砂浜より足元はしっかりしている。

五頭山麓にて 

そこで撮ったのが左の写真である。
露光は150秒。これが限度だった。そしてこの日の夜空のコンディションを最高にそれからは雲の状態と月の光にかき消され、特徴ある尾も短くなってゆき、時間単位で足早に通り過ぎてゆくのがわかった。

フイルムを ISO 1600 にして撮り続け、最後に撮影したのは3月29日菅谷山中だった。このときはフイルムはコニカGX 3200 の超高感度のフイルムを使用した。

後で気づくのだが、地球の自転とほぼ並行して彗星が移動していたため、400㎜望遠レンズで露光時間百数十秒でも彗星の核はしっかり写っていた。これも天からのプレゼントだったのかもしれない。

彗星の核の部分 

百武彗星の位置 

彗星は、初め北極星の近くにあり、日ごとに遠のいていった。
固定撮影で、背景の星を点描するには東西南北の方向、北極星からの位置での角速度の違いが写真からわかってきた。
これが、次回の撮影の大きなヒントとなる。


あっと言う間の天体ショーだった。そして周期1万年以上といわれる遥かなる旅を続けていったのである。

百武彗星

  • 百武彗星

鹿児島のアマチュア天文家、百武裕司氏が発見。1996年3月25日に地球に大接近、1500万㎞まで近づいた。その後5月1日に太陽に最接近した。

その彗星の尾の長さは約1億8千万kmあることが31日までに写真解析で判明した。これは地球と太陽の距離以上となる。

20年前のウエスト彗星や1965年の池谷・関彗星をはるかにしのぐ今世紀最大の尾をもつ彗星となった。

新潟で観測された尾の長さは神林村天文台によると月の直径の150倍まで観測できたことが確認された。

  • 地球と太陽の距離は約1億5千万km,地球と月の距離は約38万km。月の直径は約3千4百km,地球の直径は約1万2千km


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