火星
天体観察 果てしないロマンが宇宙にある!
火星超大接近
2003年8月22日(金)、8月27日(水) spectator:4977
- 三条市上空に輝く火星
火星は、15年か17年周期で地球に大接近するが、今回の大接近を越える接近があったのは約5万7千年以上前で、今回以上の大接近は284年後の西暦2287年といわれている。
最も火星が近づく日は、8月27日である。つまりこの日に見る火星が人類史上最も大きい火星を肉眼で見ることになる。
星を見るようになってから、幾度夜空を見上げたことだろう。
7月から観察していると8月になると火星の大きさが目に見えて大きくなっているのがわかる。
8月22日、穏かな晴天の夜に撮影の機会が訪れた。長岡教室の稽古の帰り道、三条市の信濃川左岸にカメラを据えた。
なんと、火星が川面に姿を映している。上空に赤く輝くその光は、市街の明かりを制するように君臨しているかのような威圧感さえ感じられる。
最接近の日の予行演習ができた。撮影データをとる。
待ちわびていた8月27日は幸運にも晴れた。
撮影ポイントと決めた場所に向かう。細い畑の中の道を慎重に進む。
コンパスで火星が昇ってくる方向を確かめ、レンズを向けて待った。
午後7時16分、松と松の間、それもど真ん中からその姿を見たときは思わず歓声を上げてしまった。ドンピシャリである。
他の星を圧倒するかのように堂々と大きな赤い色が上昇を続けていく。
これが、私が、いや人類が見た最大の火星なのだ。
今回の大接近の特徴は、地球との近日点のごく近いところで衝となることだ。
衝とは太陽、地球、火星が一直線の位置にあることをいう。今回は5576万kmまで近づく。(遠日点では約1億km。火星は楕円軌道で公転周期は1.88年の687日である。)
21世紀を挟んだこの6年の間に、大きな天文現象が立て続けに起こった。
星を見ていると、おおらかな気持ちになれる。そして、我々はどこから来てどこへ行くのか、などと哲学的な心境にもしてくれる。
自然はこちらの都合よくは動かない。しかし、願いは通じた。撮りたいと思ったことがほぼ全て写真となって残った。
自分の目標を決めたら、強い意志でやりとおす。失敗が続いても途中で投げない気概を持つ。そして、できることを精一杯やったら、あとは祈る。
そうすれば、天から何かしらの答えは返ってくるのだろう。
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