旧暦の七夕11
いけばな歳時記 季節の節目に出会う花!
旧暦の七夕の日
2011年8月6日(土) spectator:2610
- 平成23年7月新潟福島豪雨
- 溢水寸前の五十嵐川
7月23日から降り続いたかつてない記録的豪雨は信濃川はじめ各地の多くの河川に破堤の危機をもたらした。
私の住む新潟市の阿賀野川下流流域にも初めて避難勧告が出され緊張が走ったが幸いにも何事も起こらずに済んだ。
- 氾濫した阿賀野川
上中流域で何箇所か溢水した堤防もあったが、破堤寸前まで増水しギリギリのところで堤防の大規模決壊だけは免れた。
今回の豪雨では三条で1000mmを超えるという観測史上初めての降雨量を記録したが、2004年の7.13水害以後に堤防のかさ上げ工事を盛んに行ってきたことが功を奏し、最悪の事態は回避できた。
しかし、かろうじて大規模な溢水や破堤を免れたが、次回のこのような豪雨に対するさらなる安全基準の見直しが必須となってくるだろう。
それにしても冠水した農作物への被害は日が経つにつれ甚大なものとなっている。
ゲリラ豪雨、ピンポイント豪雨などの新語もできるくらい日本の気候は温暖化の影響で亜熱帯気候になってきた。
最近の自然災害は地震に干ばつ、豪雨と続き異常である。
梅雨明け宣言して間もなくして思わぬ戻り梅雨となったかたちだが、新潟地方はだいたい7月の終わり頃に大雨が降ってから本格的な暑い夏となることが多い。
そんな暑くて寝苦しい夜は、夜遅くなってから田園の中に造られた用水路脇の遊歩道を自転車で散歩する。
風を切って走るとちょうど気持のよい風が全身を通り過ぎる。ふと見上げると夜空の星が実にきれいだ。
天頂にははくちょう座とこと座とわし座がつくる夏の大三角形がくっきりと見えている。
うっとうしい梅雨空を吹き飛ばしていった台風のあと、さえざえとした夜空にはその織姫と彦星が美しく輝く。
今日、8月6日は旧暦の七夕の日にあたる。
梅雨の真っ最中の7月上旬では曇天が多く、まず夜空の星を見ることはまれである。
やはり、日本の季節を語るには旧暦がふさわしいだろう。
今も有名な仙台や東北地方の「たなばた祭」は旧暦に開催されている。
桃の節句も、菖蒲の節句も、竹を用いる七夕も、菊の節句もみな人間の体に良い植物を使う。
大自然と人間の関係が近かったころは、自然のもつ不思議な力を季節とともに親しんできた。
ちなみに、竹や笹は殺菌作用があり、平安という意味を持っている。
奈良の寺院の年末の煤払いには笹竹が用いられる。
このような自然の現象に敏感で繊細だった先人の知恵や感性を大切にしていくことをこれからは見直されていくことを強く願う。
普段は美しい自然も人知の及ばないとてつもない大きな力があることと、この大自然に生かされているという両面があるということを常に心に刻み続けていくことが重要だ。
それが、人間の傲慢や慢心から謙虚に自然と向き合い、大自然に対して恐れと畏れをしっかり持つことにつながると思えるからだ。
大きな天変地異の災害は改めてこのことを教えてくれているように思う。
足元の草むらでは次々に新たな小さな命が生まれていて季節が足早に過ぎてゆく。いろいろな虫の音がそこここに聞こえてくる。
そう、早いもので8月8日はもう立秋である。
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