13太平洋国立大学講演
いけばな行事 人の和が次の大きな輪を創る!
ハバロフスク 太平洋国立大学 講演
2013年10月18日(金) spectator:4528
- 太平洋国立大学 Тихоокеанский государственный университет
- Место проведения: ауд. 315 л.
8月に入り、正式に在ハバロフスク日本国総領事館からの招請が決まり、10月16日から10月20日の間、ハバロフスクいけばな講習会を行ってきた。
最初の講演先が「太平洋国立大学」
新潟市とハバロフスク市は48年の友好姉妹都市関係にあり、新潟県立大学とは連携協力体制が深まりつつある大学である。
デザイン課の学生が多く集まると聞いていた。
市内から車で30~40分の郊外に太平洋国立大学がある。
もう木々の葉は落ちているが新緑の頃は美しい景観となることだろう。
会場となるホールは設備も雰囲気も素晴らしい。
まず、机、花材を置く場所、足元を養生シートで保護する。
持参した画像データをプロジェクターにセット。
みるみる会場は埋まり、講演時間中も入って来てほぼ満員となった。
講義内容は、日本人の考え方と生活スタイルが長い歴史のなかでどのように変化していったのか。
それにともなっていけばなの造形がどのように変化してきたかを主軸にして画像を使って話を進めた。
そのなかで、いけばなが法式を整えはじめた時代に金閣寺と銀閣寺が、応仁の乱に象徴されるように阿鼻叫喚の世相を作りだしていた時代に前後して生まれ、それが陽と陰の関係を暗示していたこと。
この陰陽思想を理念として、規範と自由のマニュアルを持つ室町の文化を築いた足利義政のことを、私自身、話をしながらその深さを感じていた。
ここから、いけばなの歴史は、規範と自由の「型」が見事に表裏のようにして、代わる代わるに現れてくる。
それは前の時代を否定するだけでなく止揚するエネルギーがあったからこそ、時代に合った新しい型の創生につながってきたのである。
現代において最も欠けている点がこの活力であり、現代風に伝承の形を変えても伝統の矮小化にしかならないということだろう。
戦国時代のなかから、明治維新の破壊のなかから、太平洋戦争の焦土のなかから、新しい伝統文化が興っている事実をどのように捉えるかという覚悟が、エネルギーが、今必要な時代にあると感じながら画像を見て話していた。
そして、ロシアの若い学生達の鋭いまなざしに、次の時代の確かな芽を感じながら二時間を話し終えた。
講演が終わると、副学長のAlexander E.ZUBAREVさんにお会いでき、今回の講演を大変喜んでいただいた。
お昼は先生達と学食で。
これが安くておいしく、豪華でボリューム満点。
とても美しい大学との印象をいだいて市内に戻る。
夕方は、極東国立科学図書館で一般市民の皆様へのデモンストレーションが待っている。
- 中央が、国際学科総務部長 BASHARYMOVA さん
講師:上野恒洲
デモンストレーション
上野美砂甫 佐藤みつ甫
(大野みつ子)
リンク: ハバロフスク いけばなデモンストレーション
リンク: ハバロフスク いけばな講習会
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