新潟三越情報誌
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NIIGATA MITSUKOSHI mit's 取材
2008年 1月28日(月) spectator:3345
昨年から計画予定していた、新潟三越で4月に開催する新潟県の文化祭として主催する「新潟市十八流派いけばな展」と、新潟伊勢丹で5月に開催する「G8新潟開催記念 新潟市いけばな芸術展」を目前にして打合せも大詰めにきていた。
驚天動地のことが起った。この両デパートが4月より経営統合して㈱三越伊勢丹ホールディングスになるというのである。
何と、4月2週目に開催されるいけばな展が、両社合併記念行事の次であり、記念行事的いけばな展として位置づけられることになる。
すぐに頭に浮かんだのは観客動員数のことだった。
一昔ならともかく、昨今、観客の出足は鈍くなっている。デパートでの百数十坪程度の数十流派による合同いけばな展で1万2~3千人という実績は残っている。
今回のいけばな展では目標を1万2千人の観客数としているが、現実にはかなり厳しいと思っていた。
両社統合公表直後の打合せ時に、新潟三越担当のN氏から、季刊誌として発行している「mit's」へ「新潟市十八流派いけばな展」の記事掲載の提案があった。
数万部発行されるこの情報誌に招待券が同封される。そのうち数パーセントの回収率でも数千人規模での一般観客の動員が見込まれる。
N氏は自信を持って断言した。
さらに、相乗効果というべき事態が起こった。
新潟伊勢丹では、5月に開催する「新潟市いけばな芸術展」の招待券をIカード会員に発送する。
同時に新潟三越で開催する「新潟市十八流派いけばな展」の招待券も一緒に同封するということになったのである。
もちろん、mit's にも新潟伊勢丹での「新潟市いけばな芸術展」の招待券も同封する。
両社で発送する招待券は合わせて五十万枚にもなるのである。しかも、同時にふたつのいけばな展を宣伝することができる。
ひと月の間に同じ市内で、ある意味でライバル的なデパートでのふたつの記念行事的ないけばな展に不安がなかったわけではない。
それがこんなにドラスティックな展開になろうとはだれが予測できただろう!
これで、4月の新潟三越でのいけばな展の観客動員数1万2千人は目標から確信となった。
新潟三越のN氏と、新潟伊勢丹のS氏のご努力とご高配には深く感謝の意を表するものである。
両いけばな展の詳報はその項で報告するので、是非ご覧いただきたい。
こうして「2008 Spring Vol.5 三越伊勢丹ホールディングス誕生記念号」の取材は連盟役員会で一任されることとなった。
新潟市十八流派の美が集う 「いけばな」に親しみを と題して2ページに渡って紹介された。
副題には、全国的にも珍しい流派間を超えた交流が… と 自由な感性を受け入れる「いけばな」を楽しんで として、二十年間培ってきた流派間の連帯感や会場の雰囲気を紹介。
そして、いけばなの伝統の特徴をを語った後、いけばなを楽しんでください。と結んだ。
最後に新潟三越の情報誌に新潟伊勢丹で開催するいけばな展も紹介したのである。
取材内容
新潟市華道連盟
理事 上野恒洲
新潟市十八流派いけばな展の見どころやポイント
いけばなは様式として整えられてから約六百年の長い歴史のなかで育まれてきました。
時代とともにその時代にあったライフスタイルのなかから様々ないけばなの型が生まれ、三千とも四千ともいわれる多くの流派が興りました。
現在、新潟県内で活動するいけばな流派は三十五流派あり、新潟市に在住する会員で構成する新潟市華道連盟には十八流派が加盟しています。
昭和六十三年に新設してから二十年間、「皆で仲良く」をモットーに、まず旅行など遊ぶ事からはじめた当連盟は、齊藤千葩 理事長のご指導のもと、まれに見るまとまりの良さと、高い協調性が育まれて、現在年間八つもの事業を展開しており、数多くの実績を築いてきました。
この度の二十周年の記念いけばな展は当連盟加盟全流派が一堂に会し、祝意を込めて伝統あるいけばなの素晴しさと、各流派の特徴を存分に発揮する展覧会になることと思います。
七階会場では、格調高い伝統的な花からモダンな未来感覚の花まで多様ないけばなの力作が、一次展、二次展、三次展と三回いけ替えをして、計213作品が展示されます。(71作品が3回)
また、三階婦人服売場には、現代生活のなかでのその場に応じたいけばな作品が十数点いけられ、それらを見つけながらのショッピングもお楽しみいただけます。
そして、一階正面玄関には、モニュメント的な大作で皆様をお迎えをいたします。
いけばなの魅力をいろいろな角度から発見できる、そんな楽しみな展覧会にしてゆきたいと思っております。
是非、大勢の皆様からご来場いただき、すがすがしい春の息吹とともに、いけばなの素晴しさを楽しんでください。
新潟市におけるいけばなについて
政令指定都市となった新潟の魅力をさらに全国、海外に発信する役割が組織に求められる時代になってきたと思います。
いけばなという国際語は高い発信力を持つことを当連盟の事業を通して実感してきました。
当連盟では、これまでアメリカや中国でいけばな展の開催や参加をし、新潟では全国初の、ロシア、中国、韓国との「北東アジアいけばな国際シンポジューム」の開催にも大きく関わってきました。
そして、ロシアのウラジオストク市とは在ウラジオストク日本国総領事館の要請を受け、ここ六年間いけばな交流を続け五流派を派遣。2003年には川口順子外務大臣から感謝状をいただいております。
現在、急成長したロシアとの相互交流が出来る時代になってきました。
今後ますます新潟が日本海の拠点都市として近隣諸国との関係強化のさらなる発展が期待されることと思います。
当連盟のいけばな交流はその先取りを果たしてきました。
そして、さらなる新潟の魅力を高め、急成長している対岸の国にあい対してゆくには、官と民の協力が必要不可欠であり、文化団体の各分野の集結による大きなエネルギーの発信といったことも必要になることでしょう。
過去十年間に、十回に渡り、華道,茶道,邦楽など五十数団体が集まり冬の「食の陣」に合わせ「新潟市民伝統文化祭」を開催した実績があります。
そういった取組みを将来さらに大きく大きく広げることで、海外戦略としても有効になってくるものと思われます。
また、昨年開催された会津八一記念館企画展で、書画といけばなの展示を行い大きな反響がありました。
ウラジオストクでは写真と押し花といけばなのコラボレーションを行いました。
このようにいけばなの見せ方も多様なジャンルとの交流で新しい世界が展開できるであろう可能性を今後とも模索してゆきたいと思っております。
いけばなの魅力
歌舞伎のひとつのわずかな所作も多くの型の積重ねと坂東玉三郎が語っていました。
芸能に限らず武道も含めて日本の文化は総じて「型」の文化といわれ、型がないのは「形無し」だということになります。
型の文化は時代を超えて磨かれてきました。
それは古臭いものではなく「基本」と捉えたほうがわかりやすいかもしれません。
だから徹底的に型の稽古を繰り返します。するとそこから独自の創造力が生まれ、やがてそれがその時代の芸術に昇華し、時には新たな型が生れるというプロセスを持ちます。
何年やったからどうのこうのということではなく、そこには完成というものがないからたゆまぬ精進をすることになり、それが人生と重なりひとつの道となってまいります。
これが華道などの道と名のつく多様な文化の本質であり、日本の文化の特徴でもあります。
いけばなを通して人生を観る。花はあくまで純粋無垢。これを心にして物を見ると見えないものが見えてくる。このおもしろさや魅力は奥が深いから長く続けてゆくことが出来るのだと思います。
日本で興った数千の流派という世界に類がないこのような多様性を受け入れてきた我が国の伝統文化としてのいけばなは今世界に向けて更なる発進を開始いたしております。
この多様な文化を受け入れてきた価値観は国際化の中で有効な普遍性を持つのではないかと考えています。
どうが、身近に花を置いてみてください。
家や、そこの空間の空気が浄化されることがわかります。
さらに世界が美しく、やさしくなれば紛争もなくなるのではないでしょうか。
世界に誇ることのできるいけばな文化で世界の平和に貢献できることが私達の夢でもあります。
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