三月は夢見月
いけばな歳時記 季節の節目に出会う花!
春、三月は夢見月(ゆめみつき) ~ 草木がいよいよ生い茂る月 ~
2014年3月31日(月) spectator:4571
- 桜の蕾もふくらんで
新潟市では、この冬、除雪を一回もしないですんだ近年でも珍しい雪のない年だった。
ところが、表日本の関東甲信の方は観測史上最高を記録したドカ雪で大混乱の冬となった。
我が家の庭に、3月10日になって久しぶりにひとしきりのまとまった雪が降った。
数日来の暖かさに誘われたのか、乙女椿が一輪だけ咲き始めていたところへ雪が積もった。
雪に覆われて重そうだったが、お昼を過ぎるころには雪も溶けてきて、しっかりと開きかけの顔を出していた。
また、この日に雪が落下して折れたのか楓の小枝が雪が溶けた庭に一枝落ちていた。
拾い上げて庭にある水壺に入れておいたところ、先日来、可愛い春紅葉の若芽が萌え出してきた。
いつもながら植物の強さに感激する。
ちょうど藪椿が咲きかけたので、いっしょに玄関に活けた。
一本の楓の枝と一輪の椿の花が春の息吹となって、空間が華やいだ。
気が付けば、3月も末になると、木々の若芽の色が日に日に濃くなり、いろいろな種類の草花が劇的な速さで可愛い姿を地上に顔を出してくる。
朝、小さな蕾が出ていたかと思うと、夕方には花を咲かせている。
これらがそこここに芽吹いてくる。
まるで植物どうし、申し合わせができているかのようだ。
今年の芽吹きは少雪だったせいか、例年より早い。
旧暦の三月の呼び名の「弥生」の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となった。
また、三月を「花月(かげつ)」「嘉月(かげつ)」「花見月(はなみづき)」「夢見月(ゆめみづき)」とも云う。
命が萌出る春。その時期が来ると我が家の庭にも一斉に様々な花が顔を出す。そこに太陽の日差しを受けると一瞬の美しさとなって花々が輝きを放つ。
刻々と光が移動する晴れた日の朝はカメラが手放せない。
この毎朝の極上の楽しみの季節がまた巡ってきた。。
そして春三月は長い冬から解放される希望の季節でもある。
- 春の生命力をいける
楓の芽吹きと藪椿
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