HOTEL EQUATOR 2010
いけばな行事 人の和が次の大きな輪を創る!
IKEBANA Lecture Meeting in Vladivostok 講演:新潟のいけばな最新情報と花を留めること
2010年10月28日(木) spectator:4058
- ホテル エクアドル
今 年の春から新潟と極東(ウラジオストク便とハバロフスク便)を結ぶ両航空路線が週2便あったのが週1便に減便されてしまい、ウラジオストクへはハバロフスク空港を経由してシベリア鉄道の夜行で行き、ウラジオストク空港から帰国するという不便を強いられていた。
それもわずか7ヶ月間でこの10月30日をもって今年度の両路線が同時に運休になることが決まった。
図らずも今回の渡航が両便の最終便になる。
この度は、ウラジオストク市の極東国立工科大学のフォーラムでの講演と、エクアドルホテルでのいけばな講演のための訪問である。
10月27日、新潟から約2時間のフライトでハバロフスク空港に着く。ハバロフスク日本センターのオリガさんが出迎えていた。
- シベリア鉄道夜のハバロフスク駅
午 後6時過ぎの市内はもう雪が積もっていて、美しくライトアップされた多くの建物や公園のある市街地の景色に映えていた。
この街の夜景は一見に値するすばらしく美しい街だ。
- シベリア鉄道 ウラジオストク駅
夜、10時10分。ハバロフスク駅からシベリア鉄道に乗る。オリガさんには列車に乗るまでサポートしていただいた。
そして、翌日の午前11時にウラジオストクに着いた。
今まで、新潟から1時間半くらいで来ていたウラジオストクがこんなにも遠くなってしまった。
ウラジオストク駅には津田副領事が出迎えていて、ここからは総領事館のご支援をいただくことになる。
ホテルでの講演は午後5時からで、それまでに花材の用意をし、総領事館で山田 淳総領事を表敬訪問をしてから講演の準備を行った。
花材の準備はアンドレーバ・エレーナさん。花器などの準備と通訳は、パンチェンコ・ナターリアさん。総領事館からは文化担当の津田副領事と山崎副領事よりエスコートという支援体制が整っていた。
そして、ホテルではOHPやコンピューターの準備がすでにできていて、スムーズに講演の準備が出来上がる。
ウラジオストク日本センターのオリガ副所長の段取りが隅々に行き届いていた。( オリガさんは島根県に出張中でこの期間不在。)
これも9年間の継続しているいけばな交流の実績の成果の現われで、いろいろな形で新潟のいけばな交流が想定以上に高く評価されていることに驚かされる。
山田 淳総領事と面会してそのご厚誼に感謝し、今後のご支援をお願いする。
- ホテル「エクアドル」玄関にて
- ホテル2階ホールにて
ホテルでの講演は1時間30分の予定で、現地のいくつかあるいけばなの団体の皆さんや一般市民、そしていけばなや日本文化愛好家の皆さんが訪れ、なごやかな雰囲気で始まった。
初めての方も多くおられたので、新潟で取り組んできたいけばな行事の紹介や、今月行われたAPEC新潟開催記念いけばな展などの最新情報を紹介しながら、見事な色合いの紅葉などを使ったデモンストレーションを行った。
そして、剣山だけではなく、いろいろな花留の方法も紹介しながら間近で生け方を見ていただいた。
最後の質問コーナーでは、とても興味深く鋭い質問がいくつも出て、いけばなへの関心の高さを改めて実感する。
また、生け花教室を主宰しているガイダさんのグループが押し花展をホテルのロビーで開催していて、いけばなの考え方を取り入れているとの説明を受け、ここでも新しい文化の萌芽をみることができた。
ロシア、特に極東という地理的条件も大きいと思われるが、日本大好きで人なつっこい人々の細かい心配りが日本人が忘れている礼節を重んじる心をいつも感じている。
今回も、ホテル「エクアドル」のオリガさんはじめ、ホテルスタッフの優しい笑顔や、何回かお会いしている人々のあたたかい心づかいが印象に残る。
このような継続し発展する文化交流は、日本の文化を正確に伝えることの重要さと共に、お互いの文化交流による相互触発ともいうべき新たな世界を築く大きな力となることを信じたい。
そのためにも、当面の大きな課題として新潟を含め日本海側の地域の文化・経済の唯一の交通手段である航空路を閉ざすことへの大きすぎる損失と、公共事業の性格をもつ航空業の責任を官民あげて厳しく見つめ直してほしいと願うものである。
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