地球の光11
天体観察 果てしないロマンが宇宙にある!
地球の光と闇
2011年4月10日(日) spectator:5647
- 東日本大震災で家屋を破壊しつくす大津波 なんというスサマジイ光景だろう!
このハリウッド映画のCGなど比べようもないケタ違いの信じられない自然の猛威に日本中が震撼し、世界中に衝撃が走った。
地球の構造はたまごの構造とよく似ているといわれている。
この惑星の半径6千km の内、表面の6kmから60kmがたまごの殻にあたる地殻(プレート)である。それらは複雑に組み合わされてマントルの対流と共に移動している。
日本は最も複雑にプレートが入り組んだ上にあり、この度の東日本の太平洋側の広範囲で巨大地震が起きた。
それは想像を絶する大津波を発生させ、三陸海岸に襲いかかり、多くの人々の命を奪いながら海岸部の街をことごとく壊滅させた。
この地震と大津波が日本の電力の主力である原子力発電所にも予想外の大被害をもたらした。
これにより電力量が大幅に落ち込み今までのような電気を使い放題の生活を見直さざるを得ない事態となり、これに放射性物質の恐怖も重なり日常の生活や農業、漁業、工業生産の危機を招き、そして消費も低迷してゆくという悪循環が起きている。
さらに信用されていない政府の発表は人心を混迷させ、外国人は日本を脱出。深刻な観光業、外食産業などの著しい衰退も招いている。
今この時、歴史上日本が経験したことのない未曽有の国難というべき事態に直面しているのである。
まず、電力不足は最も深刻な問題である。
左の写真は地球の夜を写したものだ。アジア周辺では際立って明るい光で日本列島がどの国よりもクッキリと浮かび上がっている。
日本はこれまでどれほど贅沢に電気を使っているかが良くわかる。
光を氾濫させることが経済大国の象徴だとは誰も思ってはいない。いつしか車しか通らない山道にまで街灯がつき、便利さの追及とともに電力量も増やしてきた。
歴史的に見て大きな社会構造の変動が起こるとき大災害を伴ってきたという事実があるが、この大震災を期に一人ひとりの暮らし方を含めて日本のシステム全体を総点検する必要に迫られてくるだろう。
今回の大災害では、自然との共生と原子力問題が大きな焦点になる。
原発の問題はその安全神話を強調してきた当事者の無責任さや管理能力の欠如に責任体制の曖昧さが今回の大震災でもろくも浮き彫りになった。
問題が起こってから政府、原子力保安委員会、東電側から出てくる情報や対策はちぐはぐで信用できない。その不信感から外国人の日本脱出が起こり、風評被害が世界中に起こり様々な産業に大打撃を与えてしまった。
想像力の欠如は二次災害、三次災害を生み出してゆく。
冷却用の水を外部から入れたらどこに溜まるかも想像さえできず、止水をするのにあげくの果てに「おがくず」や新聞紙で止めようとした。
原子力船「むつ」のときは原子炉のひびに「にぎりめし」を詰めたという呆れた教訓が全く生かされてない。
聞けば必死で現場で頑張って復旧作業している人たちへの劣悪な待遇も呆れるし、何より作業している人の健康面が特に危惧される。
日本で唯一の六ヶ所村の使用済み燃料の処理工場もすでに限界との情報もある。
今の日本の原発の安全基準では自然の猛威の前にいかに無力であるかをみせつけられた。あれほど安全を謳っておいて想定外などあってはならないのが原子力行政だろう。
さらにいえばこの国は今後国民に対して,いやこの地球上のあらゆる生命に対して責任を持って原発を推進できる能力があるのかどうかが突きつけられているのである。
- 第2波、第3波と襲いかかる超大津波
自然との共生については、まず自然にたいして超自然的な畏怖の念を謙虚に見直し、先人の知恵を思い起こし、単に復旧するのではなく新時代の地域創成のグランドデザインを早急に国のリーダーが示す必要がある。
今までの地域のつながりを大切にし、集団移住による次世紀型都市モデルを被災された人々に一日も早く提案し、生活する場を確保しながら将来への希望を一刻も早く持っていただくよう、いつまでにどうなるという道筋を示すことが最重要だと考える。
政治のリーダーシップ発揮とスピーディな対策実行の欠如の責任は実に重く大きい。具体的内容に乏しく口先だけの約束など誰も信用しない。
今までの既成概念や価値観の大転換の提示が必要なのだ。
今真に求められるのは国民の信を得ることのできる超法規的な施策をすばやく断行できる度量をもった政治である。
そして何よりも重要なことは、つまらないメンツを捨てて日本の世界の英知を結集して一刻も早く放射性物質の閉じ込めを急ぐことにつきる。
これが解決しない内はどんなグランドデザインも無意味なものになってしまう。
それが、日本再生の一里塚であり、何万人もの亡くなっていった人々への何よりの鎮魂となるはずだ。
- 地球の夜景
地球の夜は今現在も人類、いや地球そのものに脅威を与え続けながら暗闇を不安そうに照らし続けているように見える。
※ 国は福島原発事故の程度はレベル4と当初発表していたが、東日本大震災の発生からちょうど一カ月経った4月12日(火)になって今回の事故は世界で起こった原発事故の最高レベルのチェルノブイリと同等のレベル7になったと発表した。
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