司所研究会09
いけばな行事 人の和が次の大きな輪を創る!
平成21年度 新潟司所 研究会
2009年11月8日(日) spectator:2974
今年の研究会も最終日に懇親会が行われ無事に終了した。
司所の研究会は、嵯峨御流華道総司所から講師が派遣されて毎年行われてきた。
嵯峨御流の常に新しい情報を得る手段として日本全国の司所で研究会として開催されている。
また、新潟県は上越、中越、下越に大別され、普段はなかなか会えない各地域で嵯峨御流を教え、学ぶ方々の親睦の場でもある。
講義は、月刊「嵯峨」に掲載される作品や講座についての解説。
そして、伝書講義。もう二十数年以上も研究会に出席していると何回も同じところを聞くことになるが、その都度新しい発見がある。
講師の先生の知識や考え方が多様で、多くの講師の先生から講義を受けることで深みも幅も増してゆく。
初心の人とベテランが同じ講座を受ける。当然その受け止め方も異なる。
「学習」という言葉は、「学」は新しい知識を得ること。
「習」は鷹の子供が巣立つ準備のため、何回も羽ばたきを繰り返す。そのときの幼鳥の羽裏が白く見える様子からできた文字である。
何度も何度も繰り返すという意味になる。
新たな知識を得、それを十分に反復しなくては身につかない。それが「学習」するということになる。
先人が考え出した理論が伝書として伝えられ、それを真摯な気持ちで聞くことで、また新しい発見につながっていく。
まさに「温故知新」が伝書講義のなかで培われてゆくのである。
いけばなの実技では、最初に講師の先生が参考花を活け、丁寧な解説が加えられる。
それから、全員の実技に入る。
先生の細やかな実技指導が各作品ごとにされてゆく。その指導を見るのもまた良い勉強である。
研究会では、伝承花と新しい時代に向けたいけばなの2花態を実技にしている。
普段のいけばなの練習では出来ないような伝承花をいけるということは、伝承されるべきいけばなの型を継承するという意味もある。
いけばな文化は、その時代時代の最先端の生け方が型となって流行した。そのインパクトの強さゆえに型として今日まで残った。
立て花、茶花、生花、瓶花、文人花、盛花、自由花などの伝承されてきた花態というのは、その時代の象徴的存在であり、
伝統とはその時代の活力が創りだしてきたものであって、その活力が失われる時代にあっては新たな伝統はつくりだされることはない。
いつまでも前の時代の伝統に縛られることになる。
時代が求めるものと、伝承される花を同時に追究していくのがいけばなの命題といっていい。
その意味において、地方における研究会はそのすそ野を広げるという重い責任をも担っているのである。
日本の重要な伝統文化として存在する。
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